代表コラム
代表コラム No.10
尼崎脱線事故に遭ったお客さんを施術して

やはり骨盤が歪んでいた!
 兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故から25日で丸1年が経ちました。
あらためて被害に遭われた方々へのご冥福ならびにお見舞いを申し上げます。

  この事故に遭われたお客さんがお越しなられたのは去年のGW明けのことでした。
  その方は大阪在住の80代の女性で、当時4両目に乗車し、途中で席をゆずってもらい、シートに座っていました。 事故の衝撃で2回程どこかに体をぶつけ、最後に床にたたきつけられた後、他の乗客が積み重なるように覆いかぶさってきたそうです。

数時間後、整形外科に搬送され、レントゲンをとった結果、幸い、骨には異常がなかったのですが、 体の痛みを訴えると「大丈夫。」と痛みを鎮める施術だけされたそうです。

それから日が経つにつれ、 体の痛みは増していくばかり・・・。
お越しになられた時点では付き添いの方の手を借りなければ歩くのもままならない、という状態でした(以前コラムでも述べましたが、事故直後よりも後になって症状がひどくなるケースは多々あります。参考コラム→NO.02 なぜ時間がたってから症状があらわれるの?

  痛みがある場所は背中、肩、足とほぼ全身でした。
カウンセリング後、左の骨盤に問題を見つけ、施術を開始しました(後で聞いた話ですが、
はじめは何で痛くもないお尻を施術するのか、不思議でしょうがなかったそうです)。

  初回は、多少の痛みは残るものの、一人で歩くことが出来るようになり、計5回の施術でほぼ普通に歩くことが出来るようになりました。

  さて今回私は社会貢献ができた喜びと同時に、いつも以上に現在の医療の不甲斐なさを感じることとなりました。
そもそも痛みを訴えているのに何故「大丈夫」なのか?お酒でも飲んで「コノヤロー!○×△◇~・・・!」と暴言を吐きたいところですが、冷静になって考えてみました。
事故の当初は他にも一刻を争う状態の方もたくさんいたはずですから、被害者の怪我の程度で優先順位を決めていたでしょう。
またかなりの高齢のため、レントゲンでは年齢による老化現象なのか、今回の事故による歪みなのか判断の難しいところもあったかもしれません。
そもそもレントゲンのような静止画像では異常が見つからない場合も多いのです。
参考コラム→
NO.03 レントゲンでは見つからない関節の異常

  けれど、もし私ならカウンセリング結果で異常が見つからない場合もお客さんが痛いといえば、
まず自分を疑うでしょう。口が裂けても異常がない、なんてご本人に言えません。
事実、私の目の前で苦しんでいるのに・・・。
しかし今回のような事故の場合は医師のカウンセリング結果が損害賠償に関わってくるため、 問題は単純ではないのかもしれません。

  今回のお客さんは事故以前よりも元気になったようだ、と伝え聞いて本当に嬉しくなりました。 が、今もあの事故による後遺症に悩まされている方もまだいるかもしれないと思うとやりきれない気持ちが残るのです。

レポート日:2006年4月
木村 康彦