代表コラム
代表コラム No.16
話題のシェイプアップ靴は体に良いのか?

生命活動は省エネ志向である
最近、数名の女性から「歩くだけでやせて、シェイプアップ出来る靴があるらしいけど、あれは体に良いのかしら?」という質問を受けました。
調べてみると、あるスポーツメーカー社から「歩くたびに美脚ヒップアップ効果」というキャッチフレーズでスポーツシューズが発売されており、テレビCMも頻繁に見るようになりました。
おそらくメーカーはこの製品を開発するにあたり、同じ条件下での発熱量や発汗量、使用後の筋肉の張りなどの比較検査を従来品と新商品とで行ったと思います。
そして、新商品の方が従来品よりも同じ条件下で総合的な運動量が多かったのでしょう。それがメーカーの主張する「歩くたびに美脚ヒップアップ効果」の裏付けだと思います。

・・・それでは、実際にその靴をはいて歩くとシェイプアップ効果があり、また体に良いのでしょうか?

これは私の持論ですが、「生物は同じ条件で生命活動をする時に、もしそれが結果として同じ効果を生むなら、よりエネルギーの消費を少なくするような選択をし、進化していく」と思います。
地球上で生存するためには、より少ないエネルギーで生命活動をする方が生存するのに有利だからです。生物は使用しなくなった組織は退化していきます。使用していない組織を維持するのにもエネルギーを消費しますから、使用しないのであれば、その組織を減らしてエネルギーの消費を抑えようとします。
寝たきりになると筋力がどんどん低下するのはこのためです(廃用症候群といいます)。
生物も無駄なエネルギーを使いたくないのです。

このシェイプアップ靴をはいて歩くと、エネルギーの消費量が上昇するのであれば、同じ歩行運動でも無駄な動きをするような構造にしてある、ということです。だからこそ、靴底が不安定な形状になっているのです。
しかしそれは同時に体を歪ませて歩行しているからだともいえます。おそらく体の荷重が前方に移動することでお尻や大腿の筋肉に必要以上に負担がかかるため、エネルギーの消費量が増すものと思います。筋肉への負荷が増えれば、当然、筋肉量は増えます。

こちらに来院される方の骨盤を矯正すると「足が軽くなりました。」「動きやすくなりました。」と言われることがあります。それは骨盤などの骨格を矯正することで、歪みの少ない骨格になり、そのため、同じ動きをしてもより少ないエネルギー使用量ですむようになるからです。

今回のようなシューズはシェイプアップの効果はあると思いますが、骨格に負担が掛かる為、腰や膝、足に症状のある方は、より症状が悪化する危険があるので、気をつけてください。また、体はあらゆる条件に「慣れ」ますから、どんどんやせていくような効果は期待できないでしょう。
(注)シェイプアップ靴を否定しているのではなく、履く目的が異なるということです。
一番良いのは、やはり「かかとのペタンコの靴」です!

レポート日:2012年8月
木村 康彦