カイロプラクターへの道のり

カイロプラクティックって?

カイロプラクターになるためには、
どんな勉強や経験が必要なのでしょうか?

ここではきむらカイロのスタッフ東裕之先生(2014年春カイロプラクティックの学校を卒業)にインタビューし、学生の頃を振り返ってもらいました。

意外と知られていない、カイロプラクターへの険しい道のりをご紹介します。

サラリーマン時代にカイロプラクティックと出会う

――東先生はなぜカイロプラクターになろうと思ったのですか?

東裕之先生

もともと、アパレルメーカーで製造部門の仕事に就いていました。座ることができるのは昼休みだけといっていいくらい、毎日毎日立ち仕事。

結局、腰を痛めてしまって。その治療がきっかけでカイロプラクティックと出会いました。

鍼など、他の手技療法も受けたのですが、身体の自然治癒力そのものを高めるカイロプラクティックにとても強く惹かれました。

カイロプラクティックの専門学校で2年間通うことに・・・

――どんな学校に行ったのですか?

日本カイロプラクティックドクター専門学院

いくつかのスクールを見学しました。
毎日授業がない授業選択のコースや、短期のカイロプラクティック養成スクールもあったのですが、人の体に触れる職業ですから、ある程度の勉強量が必要だと思い、2年コースのある学校を選びました。

卒業した今になって、カイロプラクティックの大学(4年)でも良かったかな、と思います。それぐらい、医学は奥深い学問だということを知りました。まだまだ勉強は終わりません。

解剖学、内科学、解剖実習・・・
医学部学生と同レベルの知識を求められる 

――学校のカリキュラムを教えてください

私の学院(※1)では、カイロプラクティックを医療の一環として位置づけていて、基礎医学において医学部の学生と同レベルの知識をマスターするため、座学では解剖学、生理学、病理学、免疫学、公衆衛生学、栄養学、内科学、運動学、医療生命学、骨・関節X線像の読み方などを履修しました。

実技においては、ディバーシファイドテクニック(※2)、モーションパルペーション(※3)、トムソンテクニック(※4)、アクティベーターテクニック(※5)、整形学検査法(※6)を学びました。

また、選択科目として、アメリカ解剖実習研修があり、日本では経験出来ない人体解剖実習をアメリカのカイロプラクティック大学で行なってきました。

自己投資額は2年間で300万円以上

――学費はどれくらいかかるのですか?

教科書・参考書の一部

学費は2年間で約200万円。その他、教科書、機材代金が約30万円、アメリカ研修費用が約50万円。セミナー代金が1回5000円前後(学校外でのセミナーを個人的に参加すると、3万円くらいする場合も)です。

合計300万円以上は投資していますね。
教科書がまた高いのです。大半が専門書なので、1冊5000円から1万円くらいします。

しかし、これからもずっと使っていく大切な宝物となっていくでしょう。

実際の医師国家試験と同じ問題がテストに

――どんな試験があるのですか?

テストの一部

座学のテストは、教科書まるまる1冊がテスト範囲だったときもあり、大変でした。また、実際の医師国家試験で使用された問題がそのままテストとして出題されることも多かったですね。

症例テストでは、このような主訴の患者さんに考えられる病気はなにか?を問われ、あらゆる症状を記憶し、ふるい分けしながら考えることに苦労しました。

もちろん、実技のテストもあります。
生徒同士でペアを組み、先生の目の前で出題されたテクニックを行う、という形式のテストはかなり緊張した覚えがあります。

ノートの一部

しかし、テクニックの型を担当の先生が見るだけのものです。ですから、実際に矯正するとなると接触点、強さ、角度などの正確さが求められます。やはり現場でひとりでも多くの方の体に触れて、千差万別を指で感じ取ることが必要だと切に感じました。

内科学、運動学、医療生命科学・・・、これらの授業を 担当するのは医学部の先生でした。教えた内容を全て理解出来れば、医者になれると言われましたよ。

インターン、授業、予習復習に、妻の叱咤激励・・・ 

――平均的な1日のスケジュールはどのようなものでしたか?

朝は6時に起き、8時すぎにきむらカイロに行って、お昼までインターン。
といっても、雑用とマニュピュレーション(※7)の練習です。

そして13時半から授業。授業は1日3時間です。帰宅後、夕飯作り。会社から帰ってきた妻と夕飯を食べたら、21時から勉強です。

―― 大変だったことは何ですか?

クッションを使って何度も練習

座学の予習復習が特に大変だったんです。
授業を録音し、何度も聴き返してノートを作成しました。マニュピュレーションのための指・手首作りにも時間がかかりました。 体重を乗るようにクッションを圧迫する練習は何度やったかわかりません。

また、折りたたみの簡易ベッドを購入し、妻にお客さん役を頼みました。
妻は物事を嘘偽りなく言うタイプで、最初のうちは「痛いっ!」、「全然気持ち良くない!」、「そんな調子で患者さんをマッサージ出来るの?」と厳しい言葉の連打を浴び、かなり凹みました。

その後、少し上達したかなと思った時も、「んー、痛くないけど気持ち良くもない…」とまだまだ厳しいアドバイス。自分でも出来てないところを理解していながら、改善出来ないもどかしさが辛かった。

でも、常日頃から妻から言われている言葉、「出来ないと思ったら出来ることも出来なくなる、出来る!やれる!と思うことが大事。」を頭に叩き込み、練習を続けました。

理想の手技ALCK法。
でも技術以上に大事な何かが「きむらカイロ」にはあった 

――なぜ、きむらカイロを選んだのですか?

毎日が勉強です

カイロプラクティックを知った時から、バキバキする手技に不安を感じていました。

患者さんも怖いだろうし、術者としても怖い。そんな時、”バキバキしないALCK法”のきむらカイロを知って「理想の手技だ!ここで働きたい!」と思いました。

いまだに忘れられないのがきむらカイロでのインターン初日のこと。朝8時すぎにドアを開けると、笑い声で賑やかなんです。てっきり、スタッフ同志かと思って中へ入っていくと、木村先生と朝一番のお客さんでした。

それまでわたしの持つ「カイロプラクティック行為」のイメージは、どちらかというと静かで粛々とした雰囲気だったので、お客さんも施術者も声を上げて笑うような雰囲気と、その信頼関係にとても驚きましたね。

この仕事をやるにあたって、「技術」以上に大切なものを感じた瞬間でした。

――学生時代の2年間を振り返って、どうですか?

認定証をいただきました

正直、ハードな2年間でした。
引越し、妻の手術、他店でのインターン、エトセトラ・・・いろいろあり大変でしたが、あっという間でした。

友人、きむらカイロのスタッフ、家族、そして何よりお客さんが支えてくれたからこそ、なんとか卒業できた、という感じです。

次のステップはALCK法をマスターして矯正デビューすること。これからも初心を忘れず、つらい人のお役に少しでも立てるよう、一所懸命に仕事していきます!


代表よりひとこと

日本における整体・カイロプラクティック業界は、アメリカのように法制化されていないため、学校も店舗も玉石混交であるという現実があります。

医師やマッサージ師のように、施術者がどのくらい勉強したのかお客さんにわかりにくいのです。正直な話、体のことをあまり知らなくても、痛いところを良くできればいいのです。

ただ、同じ施術をしても症状が良くならない、となった場合に、それはなぜなのか?と考える時こそ、最も今まで勉強してことが活きる瞬間だ、と私は思っています。ですからやはり、医学的な知識を含めて、人体の基本を頭に叩き込んでおくことは、つらい症状をかかえて訪れる方に対してはもちろん、自分がカイロプラクター・整体師として食べていくために必須なのです。

代表 木村康彦

私もカイロ学校時代は目から血が出るほど勉強しました。もちろん今も勉強中です。

東先生もはじめの頃はカルテ出しの合間に、「今日はリウマチ(免疫学)の試験なんです」と、寝不足の顔で単語帳をめくっていましたね。

東先生も私も、同じ山の頂上を目指して登る同志です。



注:すべて個人的な体験と感想です

 
※1 日本カイロプラクティックドクター専門学院
※2 ディバーシファイドテクニック:カイロプラクティックの基本テクニック
※3 モーションパルペーション:椎骨の歪みを決定するために用いられる検査法
※4 トムソンテクニック:ニュートンの法則を応用した特殊なベッドを用いるテクニック
※5 アクティベーターテクニック:アメリカでは広く指示されている治療器を用いた矯正テクニック。安全性、確実性、治療率が高いとされる
※6 整形学検査法:痛みの再現性から異常を確定する検査法で、整形外科医の間でも広く用いられている
※7 マニュピュレーション:筋肉を緩ませていく手技テクニック