じっと動かないほうが疲れるワケ

自粛によって奪われた「移動」という運動

ビジネスパーソンの半分は座り仕事といわれますが、一日ほとんど座りっぱなしというのはつらいものです。コロナ感染対策で政府が在宅勤務を推進したこともあり、さらに動かない生活になった方も多かったでしょう。
最初の緊急事態宣言(2020年4月)の頃は、ぎっくり腰や寝ちがえのご相談が大変多かった記憶があります。通勤や買い物は、運動不足の現代人にとって大事な「定期的な運動」であったわけです。

動物(ヒト)は静止が苦手です                            

人は動物であり、読んで字のごとく動く生き物。動いているのは得意なのですが、静止が苦手です。じっとしていることが苦手なのは何も子供に限ったことではありません。座禅をしていてもついついモゾモゾしてしまうのは、ある程度しょうがないことなんです。長時間の静止は耐え難い、だからこそ修行なのでしょう。
勢いよく回っているコマはバランス良く立っていますが、回っていないコマを立たせるのはとても難しいですよね。人間も静止していると、どうしてもバランスをうまく保つことができません。座っているうちに、足を組んだり、肘をついたり、背をもたれたり、・・・、立ちっぱなしはさらに安定しないので、片方の足に体重をかけたり、お腹を出して腰を反ったり。いろいろとバランスをとってみて、何とかやり過ごしているわけです。
よほど訓練を受けた人じゃないと、まっすぐ立ち続けることはむずかしい。すぐ疲れてしまいます。人間の体は歩行運動に照準をあわせた構造なのです。陸上動物の中でも省エネ移動(二足歩行)ができるそうです。

姿勢を気にするより、まず歩こう                  

みなさん「良い姿勢で座ったほうが骨格が歪まない」と勘違いしています。「歪まない良い姿勢」などありません。たとえ、人に見せられないような横着な姿勢をしていようが、それが短い時間であればセーフです。多少の関節のズレは歩行時に整うからです。何分間以上じっとしていたらアウトかと聞かれると個人差があるので困りますが、30分に1回は数歩でも立ち歩くことをおすすめしています。